二月の展示から3
二月の展示から2
二月の展示から1

織塾ではお預かりしている和田良子さんの銘仙コレクションから、調査も兼ねて毎月数点展示しています。2月は「〆切」と「緯総」絣の銘仙を5点ほど展示いたしました。
今回の写真は玄関に展示した資料で、「紫地矢羽根模様〆切絣銘仙」と名付けました。銘仙と言えば花柄と共に思い浮かべられるような、典型的な柄ではないでしょうか。
〆切絣とは、絣糸を経糸の一部または全部に用い、緯糸は無地糸を使用し、経絣模様を織り出したもの(『伊勢崎地方における織物語彙』-矢島三郎)です。
この矢羽根模様は矢絣などとも呼ばれ、古くからある模様ですが、この銘仙の場合、青紫に染めた部分と括って防染した部分の長さが同じ一種類の絣糸で作られています。染めた絣糸を解いてそのまま並べれば、大きな緯段絣となるでしょう。経糸を巻くときに、「杢引」と呼ばれる道具を用い、矢羽根柄になるように糸をズラシて巻き、製織します。