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7月の展示から1

7月・8月の展示は銘仙から離れて、夏にふさわしくトロピカルな地域の染織品を展示することにしました。7月は武藤和夫氏のコレクションから「インドネシアの染織品」を展示いたします。P7090058_convert_20100712205846[1]
織塾玄関に展示したのは、スンバ島男性用衣装ヒンギと呼ばれる経絣の布で本来は対で作られ、腰巻布と肩掛けに使われます。この布のように藍染めの上に茜染めを重ねた絣は「ヒンギ・コンブ(茜科の植物)」と呼ばれています。左側の筒型の布は、同じくスンバ島の女性用衣装で「ラウ」と呼ばれています。どちらの衣装にもスンバ人の思想がこめられています(渡辺万知子著『染織列島インドネシア』参照)
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6月を終えて

6月は織塾にとって大変実り多い月でした。五月末から六月初めにかけて、和田良子さん主催スローツアーの方々が桐生に来て、来桐記念レクチャー、刺繍工場、染色工場見学。地場産業振興センター資料展示ホールでの「世界の絞り」展見学。もちろん桐生織塾にも来て、銘仙や古いサンプルなどを見学されました。ご一緒した刺繍工場。染色工場などは普段近くを通っても、中は見たこともなく、大変勉強になりました。地場産センターでは和田さんが絞り技法を解説してくださり、ツアー参加者の中にカシミアショールの修復技術者集団を調査している方がいて、地場産収蔵カシミアショールについても所見をいただきました。本当に勉強になったのですが、英語があまり分からないのが返す返すも残念でした。
 6月半ばには福岡在住の染織研究家でとくに中国の少数民族ミャオ族染織研究第一人者の鳥丸さんを迎えての上州座繰の勉強会を催し、座繰の歴史と繰糸に詳しい方に一日講習をしていただきました。上州座繰機は木製の大小歯車がむき出しの、見方によっては素朴な外観の器械ですが、製糸にかかわる長年の経験と知識の上に出来上がった無駄のない形と知り、人間の手とその経験、それと座繰機の調整でさまざまな糸が引ける大変優れた器械と知りました。またそれ以前に繭に関する知識、それを煮るための水に関する知識と準備がとても大切であることも知りました。たった一日の体験でしたが貴重なものを得たと思います。。座繰1

翌日は鳥丸さんとまたまた地場産センタ―資料展示ホールへ。そこではウズベキスタンの資料を見てもらいました。最近ウズベキスタンを訪れたという鳥丸さんに経絣の衣装を数点お見せしたところ、衣装の縁についているカード織りの紐が大変凝ったものであることがわかりました。今まで何回も見ている衣装たちですが、見る目がないとわからないものですね。隅々まで丹念に作られた染織品に改めて感激したのですが、自分の目の曇り具合にがっかりした日でもありました。
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Author:桐生織塾
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