
不可思議な写真と思われるかもしれません。
今回の織塾企画展用に撮影しました。板締めという技法で染められた絣糸のかたまりです。
一本のひもがとぐろのように巻いているように見えるかもしれませんが、かなりの本数です。
絹の紡績糸、おそらく緯糸用でしょう。実際に近くで見ると、薄いブルーの部分は凹み、濃紺の部分は
ふっくらしています。溝が刻まれた板に糸を巻き、複数重ねてしっかりと締め、染織します。溝を掘った部分は染料が浸透し、濃紺に染まり、プレスされた部分は染まらず、地染めの淡いブルーのままです。そして圧迫されて少しへこんでいます。
この糸を使い、十字絣や井桁絣などを織ったのでしょう。
今月末28日から30日まで、「板締め絣と紅板締め」というテーマで企画展を行います。
この糸も展示いたします。